セイコーマート成功例
★★ 競争戦略 1 ★★
戦略でまず考えるべきは「何をやらない」か決めることです。
どのニーズに対応して、どのニーズに対応しないのか選択することで
強い戦略になります。
例えば北海道のコンビニ業界シェアNO.1のセイコーマートはご存知でしょうか。
セイコーマートが「やらない」ことは以下の通りです。
・北海道限定
・24時間営業はしない
・おでんやドーナツは作らない
・製造、調理、配送の外注しない
こうしてやらないことを打ち出したことでリソースを自社製造販売に集中することができ、
逆にやるべきことが明確になりました。
その結果、北海道では大手コンビニを押しのけ地元に欠かせない存在になりました。
つまり戦略で大切なのはライバルとの違いであり、すべてやろうとするから違いが
打ち出せなくなります。
勇気をもって「やらないこと」を決めるべきでしょう。
★★ 競争戦略 2 ★★
セイコーマートは、早くから大手3社とは異なるビジネスモデルの構築を進めていましたが、
最初から、「何をやらないか決める」戦略を計画していたわけではありません。
酒卸業の営業マンであった創業者が、個人経営の小さな酒店をなんとかしたいと考え、
当時、アメリカで流行っているコンビニを参考に1号店を1971年に出店したことが
はじまりです。
安易に、他のコンビニの形態を模倣するのではなく、北海道という地域に住む顧客に
最適な経営の姿を模索し、その都度、思考錯誤を繰り返した結果、セイコーマートの
独自性や強みとなりました。
昨年の6月に発表された、2019年度JCSI(日本版顧客満足度指数)によると、
他の全国チェーンのコンビニチェーンを抑え、2016年度以降4年連続でセイコーマートが
コンビニ部門の1位を獲得しています。
前述のように、セイコーマートも当初は個人経営の小さな酒店の救済のためにコンビニ経営を
始めました。
今日では北海道人口カバー率は実に99.8%にも登り、もはや北海道民の生活になくてはならない
存在になっています。
当たり前のことですが、現実のビジネスでは「想定外」のことが必ず起こり、あらかじめ
計画された戦略だけで進もうとすると、時に絵に書いた餅となることがあります。
そのため、綿密に考え計画された戦略を、現場でその都度、現実に合わせて戦略を徐々に
修正していくことで、当初とはまったく違う戦略になったとしても、すぐれた戦略が
生み出されるのです。
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