成功する新商品開発 & イノベーションのジレンマ
★★ 新商品の成功ポイント ★★
新商品を開発したときになぜか伸び悩み壁にあたった経験はないでしょうか。
今回はこの壁を越える方法をご紹介します。
①顧客が必要な商品・サービスを用意しましょう。
新商品に積極的な人たちは必要な商品・サービスがなくてもその積極性から自分で
何とかしてしまいます。
一方で、消極的な人たちは面倒なことはしません。その商品を使うにあたり不自由ない
状態が必要です。
電気自動車は初め、その走行距離がガソリン車と比べ短かったこと、また充電が
切れた際の充電場所が不充分だったことであまり普及が進みませんでした。
それがガソリンスタンドや自宅駐車場での充電ができるようになり、走行距離問題も
解消されてきたことで普及が進みました。
②新商品に消極的なグループの顧客事例を作りましょう。
新商品に消極的な人たちは同グループの人が購入したり使うのを見て初めて購入を
検討します。
ラインやフェイスブックをイメージしてください。
当初は両社とも、個人情報が漏洩しないか等不安がる人もいました。
しかし知人・友人が利用していることでその利用者は莫大に増加しました。
③市場を絞り込みましょう。
徹底的に市場を絞って、壁を壊しましょう。
車でいえばフェラーリ車がわかりやすいかもしれません。フェラーリは徹底して
富裕層をターゲットとしています。
フェラーリはその年間販売台数がたったの8,398台(2017年実績)しかありません。
しかしその営業利益は1台あたりなんと1,200万円で、トヨタやフォルクスワーゲンの
約50倍と超優良企業です。
市場を絞り独自ブランドを作り出した成功例と言えるでしょう。
新商品を開発しても、同時に顧客攻略の視点がなければ市場普及しません。
ぜひ上記を意識して新商品の成功する可能性を高めていきましょう。
★★ イノベーションのジレンマ ★★
突然ですが、携帯電話はどこのメーカーのものをお持ちですか?
完山会計事務所では、半数以上の職員がアップル社のiPhoneを使用しています。
思い起こせば10年前位までは、ガラパゴス携帯(いわゆる折り畳みの携帯)を使って
いたように思いますが、iPhoneを中心としたスマートフォンが一気に普及・浸透しました。
企業が既存顧客のニーズに耳を傾け、より高品質の製品サービスを提供することに
注力した結果、顧客が抱く別の需要に気付けず、異質の技術革新によって登場した
新興企業にシェアを奪われてしまうことがあります。
特に大企業は、すでに大きな市場を作り上げてしまっているがゆえに、自分たちの
既存市場を破壊してしまうような製品の投入がしづらくなってしまうのです。
これを「イノベーションのジレンマ」と言います。
企業のイノベーションのジレンマは、多くの事例があります。
①デジタルカメラとスマホカメラ
カメラ機能の備わったスマートフォンが登場。当初はカメラの性能が悪く、
デジタルカメラと住み分けできると考えていたが、スマートフォンのカメラの画質が
向上したことによりデジタルカメラは苦戦を強いられています。
②レンタルDVDと動画配信サービス
NetflixやHuluなどの定額制動画配信サービスやYouTubeの普及により、スマホで
いつでもどこでも動画を楽しめるようになり、DVDを借りるためだけにレンタル
ショップに足を運ぶ人が減少。店舗型レンタルショップの閉店が相次いでいます。
③ソニーのウォークマンとiPod
そにーのウォークマンは、有名な携帯型音楽プレーヤーであり、世界中でブレイクし、
ウォークマン以外のほかのメーカーは偽者扱いされたほど普及しました。ところが、
iPodという革命的なイノベーションにより、当時一強だったウォークマンを一瞬で
追い抜いてしまいました。
企業の大きさに関わらず、イノベーションのジレンマは起こりうる問題です。
現在、得意分野としている事業がある場合、その事業をどのように伸ばすか?維持するか?
ということに徹してしまいがちです。
そして多くの場合、イノベーションのジレンマが起きるのは、今までの経験を元に経営者が
守りの姿勢で行うという判断が発端となります。
イノベーションのジレンマに陥ることを防ぐためには、
時代の変化やユーザーニーズの変化を先読みして、将来の可能性を見据えて新しい技術を
取り入れることを恐れないこと、そして思考を固定しないことが肝要であります。
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