
さくら経営センター所長・完山剛が、阪神エリアのオンリーワンな経営者を捜して、文字通りの対談企画。
第2弾は、ベルギービールに特化した飲食店「ドルフィンズ」を、大阪で5店舗運営されている中井レストラン企画の代表取締役・中井深さんです。


肩の力が抜けた経営者ゆえの一体感。
完山まずは、ドルフィンズのスタートのお話を聞かせてください。
中井創業は27年前、最初は淀屋橋です。12坪くらい。ワールドビールのお店っていう感じやったんです。
今から14,5年前くらいかな、その頃には何店舗かやってたんですが、うまいこといけへんな、っていうのもあって。なんとなくスペシャルなビールばかりを集めてみようとしたんです。
で、選定していくなかで、なんちゅう味や!って思ったのがベルギービールやったんですね。
これは突き詰めてやろうと。で、いろいろ調べたんですが、飲めるところがないんです。売ってるお店はあるんですけど、カタログとか。
じゃあ、自分がやるしかないっていう感じで。
完山そのベルギービールについて、もう少し詳しく…
中井日本のビールやったら、メーカーが違っても味はあまり変わらない。
でも、ベルギーは明らかに違うんです。
作り方からして違うんですよ。酸っぱいビールとか、甘いのとか、香ばしいのとか、いろいろあるんです。
キリスト教は布教活動の際にワインが重要なアイテムになるんですけど、ベルギーはいいワインができにくくて。で、ビールでワインの代わりをさせようってことで、修道院でビールを作ったのが最初だと言われてるんです。ワインの代わりなので、必然的に味わいはいろいろ。
あと、ラテン系の血が入っているので、隣りがあんなんやってるからうちはこんなん、っていうメンタリティ。なんでもありなんですよ。
チェリービールとか、サワービールとかもあるんです。
完山焼き鳥とベルギービールっていう組み合わせは?
中井ものすごく個性的なビールなんで、普通のビールと比べて「食べ物と合わせる」っていう考えをアピールしやすいんですね。甘いビールならこれ、香ばしいビールやったらこれ、とか。店の方針として、ビールだけのスタイルだけではなく、次の段階、ビールと料理をマッチングさせていこうってことです。

完山普通の飲み屋では、最初はビールで、しばらくしたら焼酎とか。ドルフィンズではずっとビールを飲んでいただく?
中井そうですね。最初は軽めのビールではじめて、最後はデザートビールみたいな感じですね。
完山女性と男性のお客さんの比率はどうなんでしょう?
中井やっぱり男性が多いですけど、このお店では4割ちょっとが女性かな。けっこう多いです。
完山飲食業にしたら多いですね。ビールが好きな女性も増えてるんですかね?
中井いや、基本的に女性は苦味や発泡が苦手な人がが多いですね。でもベルギーには苦くないビールが多い。いろいろ添加したあったり、発酵させたりもするんで。で、うちは女性客に来てもらえるんだと思います。

完山「お仕事」は最初から「飲食」ですか?
中井そうなんです。飲食が好きなんですね。調理もしてたけど、上手じゃない。センスがないんです。
完山その飲食業の醍醐味というのは?
中井同じお客さんが後日同じ料理がオーダーされたとしても、全然別物だってことですね。ひょっとすると、そのときのお客さんが一生に一回あるかないかの話をされているかもしれへんのです。
そこに僕らが同席っていうか、一緒にいるってことだけなんですけど、僕らもその時が勝負っていうか…そんな空間がすごく面白い。
完山今、5店舗ですよね。複数店舗を運営する、特に新規出店というのはたいへんだと思うんですが。
中井まあ「飲食」なんで、出店に関してはいろいろ失敗してきました。
まずは物件ありきで、いけそうやなゆうて、銀行もお金貸してくれるゆうから、ほんなら人を募集しようか、というのが失敗のパターン。うちの社員に言われました。
「店長を育ててから新しい店を作りませんか」って。確かにそうやなと。
完山人ありき。いいですね…その社員さんも、それにうなづく中井さんも、そんな風通しの良さも。
中井ありがとうございます。関連した話で言うと、うちの中期経営計画には、社員の意見や目標を載せてるんです。こんな話にもなるかなと思って、今日は持ってきました。(経営計画書を鞄から取り出して)なかには目からウロコが落ちるようなものもあるんですよね。
完山(受け取った経営計画書を見ながら)いやあ、いいものを見せてもらってます。
基本線は事業主さんが考える、でも社員の意見もしっかり書く。
かなりの数の経営計画書を見てきましたけど、こういうのは初めてです。
中井(社員の意見、目標の項を指差し)なかでも特に目からウロコなのは、コレです…ベルギーに出店する! いいでしょ。
完山スゴい。経営者がアレコレ頭を悩ませて経営をがんばればがんばるほど、そういう発想って出てこないもんですよね。
中井いやあ、ベルギーにドルフィンズを出店…私自身もワクワクするような目標になりました。
完山単にベルギービールを飲ませる店ではなくて、中井さんが先ほどおっしゃってた次の段階、ビールと料理をマッチングさせる、しかも日本の料理を。
これって明らかに日本の文化ですもんね。だからベルギー出店も決して奇抜な発想ではない…
中井そうなんです。まあ、実現はいつになるかわかりませんが…(笑)
完山中井さんとは今日が初めてですけど、すごく肩の力が抜けてらっしゃる方という印象(もちろん頭の中はリキんでらっしゃるとは思うんですけど)で、その力の抜け具合が、風通しというか、一体感を生んでいるような気がします。
今日は、ベルギービールの豆知識から経営の話まで、いろいろとありがとうございました。
さっそくこのあと、ベルギービールをいただきます!